当院の矯正治療 「抜かない矯正治療です」
当院では、ヨーロッパ式「床矯正」をメインに矯正治療を行っています。かつては矯正治療のご相談があると、一般的な「アメリカ式矯正」の専門医師をご紹介していました。ただし、ワイヤーをブラケットで固定する「アメリカ式矯正」では、永久歯を抜く必要があります。そのため、「健康な歯を抜く」ということに、かなり抵抗を感じる方もいらっしゃいました。
他方、ヨーロッパ式「床矯正」は顎の幅を広げる方法なので、歯を抜く必要がありません。例えるなら、4畳半の部屋を6畳に改修するようなもの。ひとつひとつの歯に対するスペースが十分に確保できるので、永久歯を抜くことなく歯並びを整えることが可能になりました。
子どもの歯の変化
昔と比べ、「叢生(そうせい)」になっているお子さまの割合が増えています。叢生とは、歯が乱れて生え、歯並びがデコボコになってしまっている状態のことをいいます。八重歯も叢生のひとつです。顎の幅が昔に比べて小さくなっている一方、歯の大きさはそれに合わせて小さくなっていないため、歯並びが悪くなってしまうのです。
そのままにしておくと、むし歯になるだけでなく、きちんとした食事や噛み砕きができません。さらに、「歯並びの悪さが、脳の発達や成績にも影響を及ぼす」ということが、最近の研究で明らかになっています。そうした状態にならないためにも、叢生は早めに治療されることをお勧めします。
子どもの矯正治療の時期
床治療の開始は、なるべく早いほうが良いでしょう
自分で矯正装置を入れられるようになれば、乳歯であっても大丈夫です。床矯正では、永久歯が並ぶのを待つ必要はありません。具体的には4歳~5歳、幼稚園に入る年齢をひとつの目安とされてはいかがでしょうか。
顎の骨は少しでも早く開いてあげたほうが良いものです。必要なところに空間がありさえすれば、歯は舌や頬の筋肉の力で、本来の正しい位置に生えてきます。行きたいところに他の歯があるから、歯が正しい位置に生えることができず、結果として歯並びが悪くなるのです。ですから、なるべく早く顎を広げてあげましょう。
驚くのは、お子さまがすぐに矯正装置の扱いに慣れることです。1週間もかからず、自分で簡単に入れたり、出したりできるようになります。ご両親は心配されるでしょうが、お子さまたちの順応性には驚くべきものがあります。
矯正治療中の子どもの生活
床矯正の場合、矯正装置の着装や着脱が可能です。1日に必要な着装時間は14時間以上ですから、ご自宅にいる間だけの着装で十分です。学校から帰ってきて、翌朝に学校へ行くまで、就寝中も含めて着装していただければ大丈夫です。
もちろん、ご本人が嫌でなければ、学校でも着装することで、より早く治療効果が出ます。食事のとき、体育や音楽の時間、英語の発音の時間などには外しても良いでしょう。
また、着脱可能ということは、普通通りに歯みがきができるということ。固定式の矯正装置に比べ、むし歯のリスクが少なくなります。一方、自分で外せる着脱式矯正装置の欠点は、着装しなれば意味がなくなってしまうこと。そのためには、お子さまご本人の意思が大切です。当院では、ご両親がお子さまの矯正をどんなに希望されていても、必ずお子さまご本人の気持ちを確認するようにしてします。
子どもの矯正の治療時期
基本的には、4歳~5歳の乳歯の時期に始め、12歳前後の生え替わり時期を経て、永久歯が落ち着く15歳~16歳くらいまでとしています。このように、長い期間をかけて治療と付き合うことになります。
後から生えてくる歯によっては、装置を変えたりすることもありますので、定期的に様子を見ていきましょう。ただし、毎週来院が必要というようなことはありません。おおむね1ヶ月~2ヶ月に1回の通院をお願いします。
お子さまの歯並びや顎の骨の状態によっては、床矯正が対応できない可能性もあります。その場合は、提携する専門の矯正歯科をご紹介しています。
当院での矯正治療の料金
検査 | 25,000円 |
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矯正装置 上下 | 各6万円 |
※価格は税込です。
矯正治療の料金は、矯正が必要な範囲や状態によって異なります。限られた範囲で治療が済む場合は、合計で12万円~13万円程度。平均的には、20万円~30万円程度です。(一般の矯正歯科の相場は100万円前後です)
お支払いは一括ではありません。治療の進行度合いや必要な装置に応じて、その都度、申し受けます。
大人の矯正治療
20歳過ぎてからの矯正も可能です。手遅れということはありません。まずはご相談ください。